成長する子どもたちとの関係値・距離感を探って。たまプラーザにマンションリノベでつくりあげた建築家の自邸

今回取材したのは、一緒に暮らす “子どもとの距離感”を模索する小嶋良一さん。「こぢこぢ 一級建築士事務所」の建築家である小嶋さんは、お子さまの成長をきっかけに、自然豊かなたまプラーザでマンションのリノベーションを行いました。自らが手掛けた住まいで叶えた“距離感”とは一体どのようなものなのでしょうか?ここに至る経緯やご家族との暮らしぶりなどについて、施主としての小嶋さんにお話を伺いました。

事務所に歩いて通える距離に家を建てたい。人気エリアでの家探し

実は0~6歳の時にもたまプラーザに住んでいたという小嶋さん。もともと愛着があるこの街によく足を運ぶようになったのは、事務所がたまプラーザにある田園都市建築家の会に所属したことがきっかけでした。「仕事でたまプラーザに通ううちに、暮らしやすそうないい街だなと改めて感じるようになりました」と小嶋さんは振り返ります。

次第に田園都市線沿線での仕事が増えていったこともあり、「こぢこぢ一級建築士事務所」はたまプラーザに移転。ちょうどその頃、お子さまの成長に合わせて新居への住み替えも検討し始めます。以前から緑が多い場所に住みたいと思っていた小嶋さん。奥様も休日に事務所に遊びに来ることがあり、たまプラーザの街を気に入っていったのだそう。そこで、事務所に歩いて通える距離を条件に、たまプラーザの街で土地探し がスタートしました。

たまプラーザは、駅前に便利なショッピング施設が充実する環境でありながら、豊かな自然にも囲まれている点が大きな魅力。さらに東急田園都市線の急行停車駅で、交通の利便性も申し分なく、好条件が揃った人気の街です。しかし人気がある分、土地代も高くつくという現実…。「事務所に歩いて通える距離で、土地から買って新築戸建てというのは、資金面などから難しいだろうと判断し、中古マンションを探してリノベーションすることにしました」(小嶋さん)

たまプラーザは緑が豊か

小嶋さんが理想としたリノベーション物件の条件は、新耐震基準に適合したマンションで、家族4人で住むので専有面積が70㎡以上、無理のない物件価格——。加えて、小嶋さんがこだわったのは階高の高さです。「仕事でリノベーションを手掛ける際に、いつも天井の高さで苦労していたんです。理想の高さは住む人によって違いますが、20〜30cm違うだけで、特に男性は見える景色が違ってくるので」と小嶋さん。やはりそこは建築家目線で物件を探していたようです。

サポートを受けながらの物件探し 。窓に緑が広がるとっておきの物件に即決!

物件探しは、普段仕事でお付き合いがある不動産会社・フリーリーデザインボックス(以下、FDB)と一緒に進めました。「なかなかこれだという物件に出会えず、もう次の物件に決めようとしていた時に、妻がスマホで今の物件を偶然見つけたんです。うちの奥さん、たまに奇跡起こすタイプで…(笑)」(小嶋さん)。

内見で、窓の先に広がる濃い緑の景色、豊かな自然を見て、購入を即決しました。

購入した、リノベーション前の物件

家づくりには、資金計画や細かい事務手続きも伴いますが、これらを施主だけでこなすのはかなり大変…。建築家の小嶋さんでも、そのあたりはその道のプロにお願いしたようです。

「普段手掛けるお客さんの資金シミュレーション などは、FDBさんにお願いするのがもはや僕の中では当たり前。FDBなしでは事務所が成り立たないくらいです。今回自分の家を手掛けるにあたっても、最初からFDBさんにお願いするつもりでした。例えば、銀行の予備審査は事前に一回通しておくとスムーズだとか、そういった情報は普通知らないので…。サポートが受けられる意味でも、プロと一緒に物件を探すのは大事だと思います」(小嶋さん)

親と子の関係値がフラットな住まいに。自問自答しながらつくりあげた小嶋家の形

いよいよ進んでいくリノベーションの中で、小嶋さんが特に大切にしたのは“子どもとの距離感”でした。
「これから子どもが巣立っていくまで、どういう距離感で過ごそうかと。距離感と言っても物理的な距離っていうよりかは、親との関係値がフランクな関係を作りたいなと思って…。そのためにはどういう間取りがいいのか、それこそ建築家としてではなくて、うちの家族が住まいとしてどういう暮らしをしたいのかなっていうのをかなり掘り下げて考えました」(小嶋さん)。その結果たどり着いたのが、LDKを広く取り、子ども室を最小限に、そしてLDKと主寝室とが隣り合う間取りでした。

Before(リノベーション前)

After(リノベーション後)

「僕、雑魚寝がしたかったんです。子どもがゴロゴロと縦横無尽に転がって、顔蹴られて、とか、そういう時に距離感が縮むんじゃないかなと思って」と小嶋さん。主寝室で家族4人揃って寝たり、 朝ベッドでゴロゴロしていると、キッチンから奥様が料理 をする音が聞こえてきたりなど、家族を近くに感じながら暮らしているそうです。

「多少ゴチャついているくらいのラフな感じが私たちには良いように思いました。子どものおもちゃもLDKに置いてしまっています(笑)。子ども部屋に置いた方がスッキリしますし、職業的には“オシャレLDK”をつくった方がアピールはできるんですけど…(笑)」

LDKに転がるおもちゃに、掃除機を掛けるのが大変なこともあるそうですが、「それも含めて小嶋家らしい暮らしぶりなんじゃないかと思っています」と満足な様子です。完成から約2年。「家族でぎゅっと仲良く、この狭さだからこそ協力して家を住みこなしていこう」(小嶋さん)と、棚をDIYするなど工夫しながら暮らしを楽しんでいらっしゃいます。

お気に入りポイントは窓の外に広がる自然。緑豊かなたまプラーザ

ご自宅のお気に入りポイントを伺うと、「自慢みたいになっちゃうんですけど、窓から見える景色ですね」と小嶋さん。「あぁこの家最高!と思いながら暮らしています」。奥様も、窓から注ぐ木漏れ日が「よく行くキャンプ場とそっくり」と気に入っていらっしゃるようです。

ご自宅からは、広い芝生広場や斜面を利用した遊具がある「菅生緑地」が近く、お子さまと自転車に乗って出かけることが多いそう。お子さまも小嶋さんも大の虫好き。「カブトムシがわんさか居て、驚きました。実はネイティブのカブトムシを初めて見たんです!」と笑いながら教えてくださいました。

「田園都市線沿線には、蛍を見たり、ザリガニを捕ったりできる自然豊かな場所が点在しています。自然に触れさせながら子育てをしたいファミリーには良い環境だと思います」(小嶋さん)

溢れんばかりの緑に囲まれた環境に建つ、“子どもとの距離感”を大切にした小嶋さんの自邸。細部までこだわり抜く建築家としての一面はもちろん、それ以前に1人の施主として、家族を思う小嶋さんの優しさが自然と伝わってきました。家族みんなで住みこなしていく住まいで、お子さんとの距離感はどのように変化していくだろう、どんなストーリーが生まれるだろう、と小嶋家の今後にも思いを馳せたくなる取材でした。

家族構成 夫婦+子ども2人
所在地 たまプラーザ
カテゴリ 中古マンション購入+リノベーション
専有面積 72.28㎡
間取り 2LDK(将来3LDK)
工法・構造 RC・ラーメン構造
竣工年月 2018年7月
建築家 小嶋良一(こぢこぢ一級建築士事務所)
問い合わせ Freely Design Box